花様年華(In the Mood for Love)

ウォン・カーウァイの最高傑作。『欲望の翼』の続編、『2046』の前編といわれている。本作でトニー・レオンはカンヌ国際映画祭で男優賞を受賞した。

1962年の香港が舞台。ジャーナリストのチャウは妻と共にあるアパートに引っ越してくる。同じ日、隣の部屋にはチャン夫妻が引っ越して来ていた。チャウの妻とチャン夫人の夫は仕事のせいであまり家におらず、二人はそれぞれの部屋に一人でいることが多い。そして実はお互いの妻と夫が浮気していることを察し始め、そのうちに二人は次第に親密になっていく。


この映画は、チャウとチャン、つまりトニーとマギーが繰り広げる劇がとても面白い。二人は互いの結婚生活の危機を共有しており、チャンの離婚を事前にリハーサルしていたりする。それが、観客にはまるでチャウとチャンの別れ話のようにも見える。虚構と現実の交錯が背筋をぞくぞくさせる。

ほかには、クリストファー・ドイルのスタイリッシュな映像に音楽、マギー・チャンのチャイナドレス・ファッションショーも楽しめる。陶酔間違いなし。

コメント

人気の投稿