フラワーズ・オブ・シャンハイ(海上花)

98年制作のホウ・シャオシェンの時代劇。彼には珍しくスター俳優を使い、豪華なセットで撮られた。上海語(呉語)が使われている珍しい映画でもある。もちろんリー・ピンビン撮影。 日本語版DVDも手に入る。

19世紀末、上海。広東出身の役人王蓮生は遊郭の沈小紅と5年来の関係を持っていたが、小紅の気性の激しさに耐えきれず、別の遊女恵貞のところに通い始めていた。それを知った小紅は恵貞を侮辱する。同じ遊郭に働く翠鳳は置屋からの独立を願い、置屋の姉御的存在の双珠()は女将から遊女同士のトラブルを調停するように頼まれるが、それは思いもいかない方向へいってしまう。そしてある日、泥酔した王は小紅のもとをたずねるが、そこで彼女が他の男と床を共にしているのを目撃してしまう…。


照明もろうそくの光だけを使い、衣装もち調度もすべて当時のものを使ったというこの映画は、東洋版『バリー・リンドン』といったところ。とにかく美しい。筋ははっきりしないので一般受けはしないが、これだけの美意識に貫かれた映画は滅多にない。真の美を堪能できる傑作だ。

なお、カンヌではおろか、公開当時はけちょんけちょんだったこの作品の裏話がここで聞ける

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