テトロ 過去を殺した男(Tetro)

コッポラの2009年の作品。彼の最高傑作。2012年に日本でも公開され、日本語版DVDも手に入る。


有名な音楽家を父に持つ主人公の兄が、いろんな葛藤を抱えつつ脚本家として名を挙げていく、という話。映像は白黒で美しい。

NHK深夜に流れていた『アクタ=ズ・スタディオ・インタ ビュー』にコッポラが出ていたことがあった。彼の回はやけに印象に残っているのだが、それは彼が自分の経歴というか、評価にどことなく不満な思いを抱いているのが伝わってきたからだ。

とくに『ゴッドファーザー』での成功が彼の経歴と評価をゆがめてしまった、そんな自己評価を持っているように見えた。このインタビューはYoutubeで見えるのでぜひ見てほしい。


これが放映されたのは2001年、それから七年後、ついにコッポラは彼の撮りたかった映画で、彼が欲していた評価をついに得た。それがこの映画だ。

『テトロ』は2009年暮れにフランスで公開され、批評家に絶賛された。圧倒的な映像の力強さと、すぐれた脚本、編集・音楽。そしてギャロのすばらしい演技。どこをとっても傑作としかいいようがない。これはぜひ映画館で見るべき作品だ。

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