California Dreamin' (Nesfarsit)
2007年カンヌで「ある視点部門」の賞をもらった映画。ルーマニア人の監督Cristian Nemescuが完成前に死んでしまったので、ある意味未完成のまま公開された。日本では公開されなかったし、DVDも未発売。英語版なら手に入る。
監督の死後、誰も編集を引き受けなかったので、未編集のままだが、十分面白い。いや、それ以上だ。ハリウッドでもヨーロッパでもない、観たことのないタイプの映画で、驚きの連続。びっくりすような人物たちの繰り広げる物語は展開がまったく読めない。彼らはみな本当の姿を隠しているけれど、コメディとしての一貫性はある。
ルーマニアのある村落共同体で繰り広げられるこの群像劇は、1960年代のジャズニーのWhen the Cat Comesや、Bo WiderbergのÅdalen 31なんかを思い起こさせる。登場人物みんながそれぞれの正しさを持っていて、それぞれに共感を抱くのだけれど、そういう映画はここ数十年なかった。といっても、ナイーヴな話なわけでもない。
これは、人々が繰り広げる政治的おとぎ話である。奇っ怪な感性が単なる詩的な効果を目指しているだけではないところが、クストリッツァとは違う。たとえば、大規模な停電、「ブルー・スェード・シューズ」、さまざまな視点が交錯する恋の会話の描き方など。これは同時に、いかにルーマニアが資本主義になったか、そして、いかにアメリカ人がほかの人と同じような人であるか、についての映画でもある。
これは、人々が繰り広げる政治的おとぎ話である。奇っ怪な感性が単なる詩的な効果を目指しているだけではないところが、クストリッツァとは違う。たとえば、大規模な停電、「ブルー・スェード・シューズ」、さまざまな視点が交錯する恋の会話の描き方など。これは同時に、いかにルーマニアが資本主義になったか、そして、いかにアメリカ人がほかの人と同じような人であるか、についての映画でもある。
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